良いエピソードが一杯

歴史上の人物『弘法大使空海』の成長と当時の事件を同時進行
で描き、『弘法大使空海』がその時代に何を感じ、何をなそうと
したのかを描いた超大作だと思います。
讃岐の真魚(まお)少年(後の空海)が叔父の阿刀大足[あとのおおたり]
を訪ねて奈良にやって来た時、桓武天皇は、遷都を決断し
人々が移動をする最中でした。
その時代、お坊さんが、帝になろうとしたりして、お寺の力が
強くなり過ぎ、政治を乱れに乱れていました。
『弘法大使空海』は、山岳修行の中で「虚空蔵求聞持法」をマスター
し悟りを得ます。その後遣唐使として大陸にわたり
恵果和尚より真言密教の灌頂をさずかり、真言密教の正当な後継者
となり帰国します。
空海のライバルとして登場する最澄の存在も重厚で深みを感じます。
この映画は多くのエピソードの中には考えさせられることが多く含
んでいます。
1)エピソード1
 たとえば、遣唐使の船が大嵐に合い難破しそうになった時も
 空海だけは、大儀の為に唐へ渡る自分の船は絶対救われると言う
 信念のもとに真言を唱えます。
 実際この時、助かった船は、空海最澄が乗った船だけでした。
2)エピソード2
 唐に渡り真言密教の正当な伝承者恵果和尚の余命があまりないと
 いうのにすぐにお寺に行かず、梵語の勉強を優先したこと
 真言密教は、梵語で書かれている為、梵語を知らずしては
 本当の真言密教をマスターできないと知っていたからです。 
 最高を極める為には、そのワザをまず磨く必要があるのです。