精神治療で引用された童話

この本は、精神科医が書いた本です。
まず精神科医は、面接をして、患者が何にこころを痛めているか
もしくは、こころの障害について探ります。次にその原因
に近づいた時、最も適した童話のストーリを通じて本人に
その原因を気づかせるようにします。
たとえば、引きこもりの青年との面接では、
『3ねんねたろう』の話をします。以下引用・・・・
働き者のお百姓が、一生懸命に働いても貧しいままでした。
彼の村では水が十分でなく、日照りになると稲が枯れてしまい
母が貧しいうちに亡くなってひとりぼっちになると
何もかもばからしくなって、寝てしまうのです。・・・そのよう
にして3年もの間寝たままだったので3ねんねたろうという
あだながつけられます。
3年経ったある日、3ねんねたろうは目を覚まし
何里も離れた川まで出かけ、一人で用水を引こうと
工事を始めます。はじめのうち村人はあざわらいますが、
そのうち子供達が手伝うようになり、村人もひとり
ふたりと一緒に働く者が出、ついには村人総出で
用水を引く工事をするようになります。
用水は完成し、村人はもう日照りに悩まされることは
なくなり、豊かになったのです。
患者の青年は、会社が自分の想像以上に発展を遂げ、
自分自身も技術的に大飛躍を遂げられそうになった
矢先に、閉じこもったのです。
彼は彼なりに飛躍に備えて内省的な期間を必要として
いたのだと解説します。
本人が気づくことで新たな生活が始められたのです。
その他の治療で引用された童話は以下があります。
ねむりひめ
幸福なハンス
食わず女房
ぐるんぱようちえん
ももたろう
赤ずきん
うらしまたろう
三びきのこぶた
いっすんぼうし
つる女房
ジャックと豆の木


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『なせば成る』−偏差値38からの挑戦