諏訪の人間、全てが氏子ですからね!

free_se2010-05-09

「昨日、上社の<<建て御柱>>があったんですよね、どうでした。」
「すごい人出で、昨日だったら上社に近ずけなかったと思いますよ
 上社だと見晴らしが悪いので、見物するのが大変で、3の柱と
 4の柱は林のなかだし、<<建て御柱>>を見るなら前宮が
 いいですよ、そこだと、見晴らしがいいですから」
「昨日、3時くらいに諏訪に着いたんですが、
 やっぱり行かないでよかったんですね」
「昨日は、2万6千人の人出だったみたいですよ、なにせ、
 諏訪の人間、全てが氏子ですからね」
「上社には、お土産屋さんの方に着けますか、それとも正門の方に着けますか」
「渡り廊下のある方につけてください。そこからだと遠くに
 八ヶ岳が見えるんですよね」
 「そうですか、正門の方ですね、八ヶ岳が見えるんですか、
 気にしてませんでした。」

5月5日(水曜日)茅野駅より6人乗りタクシーで諏訪大社上社まで
向かう。タクシーで10分くらい、料金は1500円かかりました。
北海道から来た父を含め家族5人の旅行なので、タクシーが2台
必要かと思ったけど、前に3人、後ろに3人乗れるタクシーだった
ので1台ですみました。
諏訪大社本宮上社の「建て御柱」行事完了(5月4日)の翌日の参拝、
正門に通じる道では、鉄筋で作られた臨時の見物席の解体工事が行われ、
諏訪大社本宮上社の正門、渡り廊下の入り口近く、2の柱では、
人々が次々に記念写真を撮っていました。
 御柱祭とは、寅と申の年に行われる、6年間隔の式年祭
「山出し」「木落し」「里びき」「建て御柱」といった行事を、
諏訪地方(岡谷市茅野市諏訪市、富士見町)の氏子が
分担して行います。
「建て御柱」とは、諏訪大社、上社、前宮、下社春宮、下社秋宮の
四方にそれぞれ4本の柱を立てることをいいます。
6年に1度行われる御柱祭の行事、諏訪に住む人々が氏子であること
を自覚する時でもあります。
 当日、私の家族は、上社にて家内安全のご祈願をさせていただきました。
同じく、ご祈願をしていたのは、白い服を着た若い女性と
ずり落ちたズボンの上に派手な下着のパンツが半分くらい覘いている
若い男性、安産祈願の為、その家族が一緒でした。
ちなみに、初宮参りのことを<<氏子入り>>と言い、6年に一度
御柱祭を行う諏訪地方の人なら、ほとんどの人が氏子入りをする
ものと思われます。
岡谷市茅野市諏訪市、富士見町に住む人が全て氏子とすると
それだけで18万人くらいになります。

【氏子】<<〔もと、氏神の子孫の意〕同じ氏神を祭る土地に生まれた(住む)人びと>>
新明解国語辞典 参照)
【諏訪地方の主な人口】
岡谷市(約5万2千人)
茅野市(約5万7千人)
諏訪市(約5万1千人)
富士見町(約1万5千人)

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御柱」が教えてくれたもの
 下諏訪の下社春宮で、「建て御柱」の最中に2人の方が亡く
なったというニュースで聞きました。
「建て御柱」は、「御柱」に人を乗せた状態で、垂直に建てる
危険な神事です、しかし、危険だから止めようという氏子は
いないと思われます。生と死が隣合わせの神事だからこその誇り
と自負があって、今後とも続くものと思われます。
御柱」を6年に一度、新しくすることは、神道で言う
蘇りの思想にあります。古いものを新しくすることで神格があがる
多くの儀式を経て、単なる木が神格化し、古い「御柱」は、
その神格を消滅させ、お守りや箸などとなって使われます。
ハイデガーによると「存在と無は同一」とします。そして
人が存在することは、ありえないこと、むしろ存在しないことの
方があたりまえと考えます。
森羅万象(宇宙)が存在すること、ビッグバンが起きる可能性の
ありえなさ、1秒よりずっと小さな瞬間にオセロの駒がひっくり
帰るように無が存在に変り、存在するという特別な状態が起きた
ことに感謝し、この世に生きて、死んでいくことに感謝したいと
思いました。

【宿泊】
5月4日に泊ったのは、下諏訪にある下社秋宮に隣接するホテル山王閣です。
暗くなると、町の明かりが諏訪湖を象るように広がり、寝るまでカーテンを
閉めずに外の景色を楽しみました。
温泉があって、神社に近く、1泊2食、5人で約3万5千円の宿泊費
ホテルの前では、何やらお祭りの練習まで見ることができました。

【交通】
京王の高速バス
行き:新宿西口から下諏訪
帰り:中央道茅野から新宿西口